第6回演奏会プログラムの楽器配置について

第6回演奏会で取り上げる「ラグランジュ・ポイント」、「異国の鳥たち」は、編成だけでなくその楽器配置にも特徴が表れています。
普段あまり目にしない配置に隠された意図とその効果をご紹介します。

一般的な配置図

吹奏楽では、音量の小さい方から木管楽器、金管楽器、打楽器の順に置かれている。


ラグランジュ・ポイント/中橋愛生

 低音群とオーボエを中心に置き、その他のパートをきれいなシンメトリック(左右対称)の形に配置している。

同時に同属の楽器が演奏する箇所はもちろんのこと、旋律や動機がエコーのように呼応する場合も、この配置にすることで、ステレオのスピーカーのように立体感のある音響効果を出すことが可能となる。

また、木管楽器を金管楽器が、金管楽器を打楽器が包み込むような配置になっており、より旋律を引き立たせることができるのも特徴の一つである。

異国の鳥たち/O.メシアン

 他に類を見ない非常に独特な配置である。多くの場合、木管楽器は金管楽器より前方に配置されることが多いのだが、一部の木管楽器が金管楽器よりも後方に配置されている。
さらに、フルートやクラリネットなどは音域の違いによって離されて置かれている。
これらは、曲の中に登場する鳥の鳴き声を、いかに効果的に聞かせるかということに重きを置いたものだといえる。

また、ピアノは協奏曲を思わせる配置にしている。この曲におけるピアノの重要性が表れている。
なお、2曲とも作曲家の意向でこれらの配置になっていて、スコアの冒頭に配置図が提示されています。
このように、小中編成を対象にした楽曲は、大編成のそれよりも配置転換が容易に出来ること等から、作曲家の意図やこだわりをより細かく表現出来るといえるでしょう。
大編成による大音量の迫力は吹奏楽の楽しみの1つですが、小中編成ではこういう楽しみ方があるのです。

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